新築実例・小屋裏と大きな吹き抜けがあるSHS外断熱の家

設計:アルクム計画工房  施工:拓友建設(株)

ご夫婦+お子さん4人のご家族が、大阪から実家のある札幌へUターン。春から新しい家で新しい生活を始めます。
外断熱のSHS工法で建てられたこの家は小屋裏と大きな吹き抜けが特長。外側から断熱材でスッポリ家を覆う工法なので、屋根なりの大きな空間が造れるのです。
足下が冷えない高い断熱性能、そしてこの家の気密性能を表すC値は0.3c㎡/㎡でした。参考までに、北海道の次世代省エネルギー基準値は C値2c㎡/㎡、さらに厳しい基準の札幌版次世代住宅になると C値1〜0.5c㎡/㎡なので、比較するとこの家の高い性能がおわかりいただけると思います。もちろんそれに伴った計画換気で室内はいつもキレイな空気。
床材はすべて無垢なので、上に下にと走り回るお子さんにこそ素足でその温もりを感じて欲しいと思います。

アプローチ正面の木製ドアは玄関ドアではなく風除室への入口。その奥に見えるのが玄関ドア。床のアクセントラインはタイルでデザイン。

「風除室(玄関フード)」についてちょっと説明したいと思います。

北国では一般的で、冬の寒さ、夏の暑さ、花粉や風から玄関を守り室温の変化を抑えてくれます。吹雪の日に風除室に駆け込んだときの安心感といったら!
また外断熱の家はどこも同じ室温で「寒い場所」がないので、風除室に冬の野菜やビールや漬け物を置くご家庭もあります。その際は凍らないようにダンボールに入れるのは必須ですが。しかしそれは玄関にサンルームをつけたような一般的な風除室の場合です。
この家の風除室はちょっと見た目も性能も違っていて、外気温が-15℃でも風除室の室温は+5℃を維持しています。寒さや暑さをシャットアウトして室内に入れない北国の工夫。その進化形だと思います。

玄関を室内側から見た様子。普段使いの靴は右の造作シューズボックスへ。室内側に大容量のシューズクロゼットが別にある。
奥のサンルームの床には、施工途中に子供達の押し手形を記念につけた。
右のドアは水回りへと続きキッチンへ抜ける回遊できる間取り。左の丸窓を開けてみると…。
和室と繋がる丸窓。
効率を考えたゆとりのある家事室。奥には洗濯機、ガス乾燥機が収まっている。
高級感漂うシックなキッチンはクリナップ製。左にある机は、お母さんの近くで子供が宿題をするのにちょうどいい。
広いキッチンにコンロ、オーブン、シンクがまとめられていて家事導線が短くなっている。左奥のドアを開けると洗面、家事室、浴室がある。
奥の襖は右の壁内にスルスルと収まるようになっている。開けてみると…。
キッチン続きの小上がり風の和室が。きっと食事会に大活躍するはず。
スキップを上がる右の部屋は寝室。左は書斎。
書斎の様子。壁はすべて調湿作用のある珪藻土塗り。
2階から3階を見上げた様子。屋根なりの吹き抜けはSHS工法ならでは。
無垢材に囲まれて暖かみがある空間。階段を上り小屋裏へ。
3階小屋裏には腰掛けて勉強できるスペースが。床材はリトアニア製のもみの木でパイン材よりきめが細かく乾燥しにくい。
3階小屋裏はまるで船の中にいるようなワクワクする空間。本棚にお気に入りを並べてこもりたくなる。