札幌に普通にいる「シロアリ」対策にスタイロフォームAT

シロアリ被害は札幌ならどこでもあり得る

2年ほど前のブログでhttps://www.takuyou.jp/2019/08/blog-669/ 「北海道にもシロアリが来襲!?」を書きました。

北海道にシロアリがいるなんてご存じでない方も多かったと思います。

私も家づくりの相談に来られたお客さまに「北海道にシロアリは普通にいるよ」とお話しすると、大半の方がびっくりします。
本州から来られた方は「やっぱり」という反応をする方が多いです。本州ではシロアリ被害は身近だからです。

実際は札幌だけでなく、道北の名寄や留萌でも見つかっています。
「そんな寒いところで」と思われる方も多いと思いますが、住宅の断熱性能が上がり、またシロアリ自身も寒さに強くなっているそうです。

たとえば、札幌市南区で築4年の住宅でシロアリが見つかった例があります。

https://www.iesu.co.jp/shinbun/2001/13-8-25.htm

上記記事には、「基礎と押さえコンクリートの継ぎ目部分から基礎断熱材に入り込み、大引(1階床を構成する木材)へとつながる蟻道が五ヵ所ほど見つかった。土台は工場で加圧注入による防腐処理が行われていたこともあって被害はなかったが、現場塗布で防腐処理を行った大引は、未処理部分の小口からシロアリの食害を受けて・・・」とあります。

土台部分は、ほとんどの会社できちんとした防蟻対策がされており、薬剤の効果は20年以上は大丈夫です。しかし、土台は大丈夫でも断熱材を食い荒らして大引などの木材に到達してシロアリ被害に遭う可能性があります。

シロアリを駆除せずに放置しておけば柱の内部を食い荒らし、建物の強度が落ちてしまうことがわかっています。
大地震のあった札幌では怖い話です。当社の岩本も、古い木製カーポートをリフォームのため取り壊すとき、柱の内部に小さなシロアリが大量に潜んでいるのを発見しました。放っておくと、住宅本体に侵入しかねない状態でした。

駆除には多大な費用がかかる

シロアリの駆除にはいろいろな方法があります。

たとえばシロアリ用の毒餌を蒔く方法。
確かに効果は出ますが、その効果は半永久的ではなく、間違ってペットや小さなお子さんが口にするリスクがゼロとは言えません。
また、防蟻剤を内部まで浸透させる方法もありますが、DIYでやるのは難しく、費用がかかります。

ガーデニング用に敷いた枕木から大量のシロアリが発見された例もあります。実際に鉄道で使われた中古の枕木は、薬剤処理がされているものの、時間とともにその効果は薄れてきます。枕木を食い尽くした後は、近くの家に侵入するということが考えられます。

北海道SHS会の会員の中には、実際にシロアリ被害に遭ってスタイロフォームATを標準仕様として採用した会社もあります。
ひとたびシロアリ被害に遭えば、その駆除や被害の修復には多大な費用がかかります。

被害に遭った柱や梁などの交換、薬剤などによる駆除費用などを合わせれば数十万円どころから100万円単位のお金がかかるかもしれません。

高くてもスタイロフォームATを採用する理由

当社も2年前は「推奨する」という段階でしたが、お客さまのことを考え、昨年春からスタイロフォームATを標準仕様としました。

札幌市内で基礎工事を始めた当社の現場です

スタイロフォームATの特徴は、安全性の高い薬剤を断熱材に練り込んで製造しているため、雨が降っても薬剤が溶け出す心配がないことです。つまり、効果が半永久的に持続します。この薬剤は、シロアリが本能的に嫌がる物質で、柔らかい断熱材を食い荒らして食べ物である木の柱や土台にたどり着くのを防ぎます。

開発・製造元であるデュポン・スタイロ(株)は、沖縄の屋外でATと通常のスタイロフォームとでシロアリが食いつくかどうか、実際に屋外にさらした状態で試験を始め、15年が経過しました。驚いたことに、15年経ってもスタイロフォームATはシロアリをほとんど寄せ付けず、重さも減っていません。つまり、食い荒らされていないということです。

詳しくは、デュポン・スタイロが公開しているカタログでご確認ください。

https://www.dupontstyro.co.jp/images/catalog/styrofoam_at.pdf

このスタイロフォームATですが、通常のスタイロフォームに比べると、当社の標準的な住宅で10万円前後のコストアップになります。
「その差額でいい設備が採用できるのに」と感じる人も多いかもしれません。

ブログに載せるため、特別に1枚だけ文字が見えるように施工してもらいました。表裏逆に施工しても機能・性能には何の影響もありません

しかし、メーカーが指定する部材と工法で施工して万が一シロアリ被害に遭った場合は保険金が支払われます。
10万円前後という金額は、「シロアリ保険」に入ったようなものだとお考えください。

拓友建設では、今後もお客さまにとって本当に必要な設備や建材は、少し高くても標準仕様として採用します。それは、何十年経っても高性能が長持ちし、不具合が少なく、面倒なお手入れがなるべく少ない家を建てたいと考えているからです。