北海道胆振東部地震から3年

札幌市清田区の液状化被害(1)

9月6日は、北海道胆振東部地震が起きた日です。

震源地付近の厚真町で震度7、札幌市内でも東区で最大で震度6弱を記録するなど、大きな被害があり、死者も多数出ました。あらためて亡くなられた方にお悔やみを、被災された方にお見舞いを申し上げます。

札幌市内では、清田区里塚で地盤の液状化現象による影響が大きく、新築して何年も経っていない住宅が大きく傾き、住めなくなるなどの被害が出ました。

札幌市清田区の液状化被害(2):道路が陥没して車庫が使えなくなった

札幌市内には活断層がいくつかあり、今後札幌近辺を震源とする大地震が起きる可能性も否定できません。

2018年9月6日は停電のため、車のカーナビでテレビニュースを見ました

わたしたちが札幌近辺で災害に強い家を建てるにはどうしたらよいか、私の経験やいろいろな情報を合わせて4つにまとめました。

1.震度7の地震で倒壊しない耐震性能
2.高断熱・高気密
3.停電(ブラックアウト)、ガス遮断時への備え
4.災害に遭いにくい土地を選ぶ

1.震度7の地震で倒壊しない耐震性能

日本の建築基準法では、震度6の地震に遭っても倒壊しない耐震性が求められています。したがって、違法建築でない限りは震度6の地震には耐えられます。しかし震度7の地震が起きた場合は、倒壊しなくても住めなくなるような被害を受ける可能性があります。実際、震度7の地震に見舞われた2016年熊本地震の時は、建築基準法をクリアしても大きな被害を受けた住宅が多数ありました。

そこで注目されているのが制震や免震住宅です。制震は、地震のエネルギーを吸収し、建物の揺れを大幅に抑制します。免震は、地震の揺れを建物に伝えない部材です。制震の方が施工しやすくコストもお手頃なので、今後導入を検討中です。

2.高断熱・高気密

拓友建設が施工したトップランナー住宅

北海道胆振東部地震の後は、ほぼ全道で電力供給が途絶える「ブラックアウト」被害がありました。9月初旬だったことで暖房の必要はなく、電気が止まっても室内の快適性に大きな影響はありませんでした。しかし、もし真冬にこの地震があったらどうでしょうか?体調を崩す人が続出したかもしれません。

電気が止まれば、灯油ボイラーやエコジョーズも使えません。

そこで、室内の温度が下がりにくい断熱性・気密性の高い住宅が有利です。

拓友建設が建てる住宅は、標準仕様で札幌市が札幌版次世代住宅基準で定めた「スタンダードレベル」をクリアしています。国の省エネ基準の1.5倍以上高性能です。さらに、「トップランナー」で建てれば室温の低下は最小限に抑えられます。

3.停電(ブラックアウト)、ガス遮断時への備え

北海道胆振東部地震では、数日間停電した地域もありました。家庭用蓄電池や、蓄電池を充電できる太陽光発電パネルなどの備えがあれば、テレビやスマホも安心して使えます。家庭用の蓄電池は、ポータブルタイプならキャンプで活用することもできます。また、カセットガスコンロがあれば、非常時に役立つだけでなく冬の鍋料理などに使えます。ふだんから活用していれば、いざというときに迷いなく使いこなすことができますね。

このほか、非常用食料、非常用水、ヘルメットなどの防災用品を備蓄することも大事です。

4.災害に遭いにくい土地を選ぶ

家を建てる時、最寄り駅やバス停までの距離や買い物、学校などの利便性、陽当たりなどを重視される方は多いと思いますが、地震に強い土地をどうやって選ぶのかはなかなか難しいものです。幸い、札幌市は「地震防災マップ」をホームページで公表しており、区役所で配布もしています。

https://www.city.sapporo.jp/kikikanri/higoro/jisin/jbmap.html

「液状化危険度が高い」とされている地域では、必ず地盤調査を実施し、杭打ちが必要か、それ以外の地盤改良が必要かなどの判定をする必要があります。

このほか、地盤調査会社が無料で地盤情報を公開しているページもあります。

https://jam.jibanmap.jp/map/main.php

上記リンクから、知りたい土地の住所を入力すると、下記の情報が表示されます。

これは、拓友建設の住所で調べた結果です

画像が小さくて見づらいですが、当社の近辺では98%が地盤改良必要と判定されています。

これは、地盤調査会社が無料で提供してくれる地盤レポートです。揺れやすさ、浸水リスク、液状化についてリスクが高いですね。

でも、地盤改良などを施すことでリスクを減らすことができます。

上記の4項目でが全て左端に寄るような条件の良い土地は、実はほとんどありません。

その中で、地盤改良や耐震性の高い設計にすることで地震に強い家を建てていくのです。

当社では地盤ネット(株)の地盤調査サービスを利用して地盤改良が必要かどうかを判断し、さらに同社の地盤ロングライフ補償を利用して最長20年間の補償体制を実現しています。地盤調査や必要な対策工事を行った上で万が一建物に被害があった場合、最大5000万円の補償が受けられるというものです。その内容、条件など詳しくは、当社までご相談ください。