今年も残すところ1カ月を切りましたね。暖房を使うこの季節に気になるのが光熱費です。「高断熱・高気密の省エネ住宅は光熱費が節約できる」と言われていますが、実際はどうなのでしょう?
そこで今回は、当社の「2023モデルハウス」を例に、実際に人が生活したうえでの光熱費などについてご紹介します。
2023モデルハウスは、札幌版次世代住宅基準の最高ランク「プラチナ」認定・第1号の住宅です。住宅性能は断熱(Ua値)が0.18、気密(C値)が0.22で、断熱は国が定める断熱等性能等級の最高ランク・等級7を上回ります。また、太陽光発電と蓄電池を備えているのも特徴です。
現在はオーナー様ご一家(ご夫婦と2人のお子さま)が暮らしており、この11月で入居から丸1年が経ちました。以前、入居から5カ月後の光熱費などをお聞きしていますが(詳細はこちらのブログから)、今回はこの1年間(2023年11月~2024年10月)の状況を教えていただきました。
まずは光熱費から。オール電化住宅のため光熱費=電気代で、暖房をはじめ給湯や調理、照明などの使用分がすべて含まれます。そうした中、年間の電気代は12万6,585円、1カ月あたり1万548円になりました。(基本料金「ほくでん・エネとくスマートプラン」の約2300円を含む) ※売電収入除く
中でも暖房を使用した冬季(2023年11月~2024年2月)は、1カ月あたり1万7,081円。「料金値上げでオール電化住宅は電気代が高い」とよく耳にしますが、一般家庭の月平均電気代1万2,000円(総務省家計調査報告・2023年データ)と比べても、5,000円程度のプラスに抑えられました。これは高い住宅性能はもちろんですが、太陽光発電が発電中の昼間に家電を動かすといった使い方の工夫したこと、床下の蓄熱性が安定したことが節電につながっているのだと思われます。
続いて、太陽光発電の発電量を見てみましょう。出力は3.81kWあり、冬でも発電する壁に垂直設置しています。
こちらは太陽光発電の発電量のグラフです。年間発電量は約3,160kWhで、月平均すると263kWhになりました。また、冬季(2023年11月~2024年3月)の月平均は約255kWhと年間平均とほぼ同じに。冬場でも十分に発電できることが実証されました。
意外だったのが3月の発電量が最も多かったこと。これは雪に反射した光が太陽光パネルに当たり発電効率が上がった影響が考えられます。また9月も発電量が多いことから、春分・秋分前後の太陽の高さが壁面太陽光と相性がいいのかもしれません。
次は、太陽光発電の自家消費の状況です。自家消費に一役買っているのがこちらの蓄電池(7.4kWh)。太陽光発電で発電した電気が余った時には充電しておいて、夜間などに使えます。また災害時の備えとしても安心なアイテムです。
こちらは、自家消費量と自家消費率を示したグラフです。これを見ると、1年間の自家消費量は約2,632kWhにのぼり、自家消費率は月平均で83.36%になりました。家で使う分が増える(自家消費率アップする)と光熱費削減につながり、経済的な運転となります。
また、蓄電池の充電量は年間1,465kWhほどで、月平均すると約122kWh。その上で余って電力会社に売電した電力量は年間約524kWh、月平均44kWhほどになりました。ちなみに、太陽光発電の売電収入は年間7,792円あったそうです。こうした臨時収入も家計にとってはありがたいですね!
最後にもう一つ、これからの季節に大活躍するのが、カーポート前に設置された融雪槽です。特徴は地下水を利用していること。地下水は真冬でも9℃前後の水温があるので、塊になった雪もどんどん融かせます。しかも、バーナーを加熱するエネルギーなどが必要なく、1シーズンにかかるコストはポンプで水をくみ上げる電気代3,000円のみ!こうしたエコな設備も光熱費削減にとても効果的です。
当社では来年1,2月に、こちらの融雪槽を使った「融雪体験会」をはじめ、「全館空調体験会」や「暖房体験会」などのイベントを開催する予定です。詳細が決まりましたら、こちらのブログとInstagramでお知らせしますので楽しみにしていてください!