当社はこれまで、戸建て住宅のほかにもお店や施設など、さまざまな建物を手掛けてきました。おうちと同様、その一つひとつにお客さまの想いやこだわりが込められています。

今回ご紹介するのは、札幌・円山エリアにあるフレンチレストラン「Maison de h-l’E´ridan(メゾン・ド・アッシュ・レリダン)」さん(札幌市中央区円山西町1丁目6-1)。オーナーシェフのご自宅を兼ねた建物です。

オーナーの橋本雅祥シェフは、ザ・ウィンザーホテル洞爺の元総料理長。17年前に独立してレストランを開業しました。現在は完全予約制の1日1組限定で営業しています。

設計はN建築設計室の野際礼子さんが担当しました。橋本シェフが以前働いていたレストランの設計者が野際さんだった縁で「自分のお店もお願いしたい」と依頼しました。円山西町は、野際さんから紹介を受けた不動産屋さんのご尽力で、今の場所を発見。当社が施工し、橋本シェフの想いが詰まったレストランが完成しました。
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レストランの中を拝見しながら、橋本シェフにお話を伺いました。

入口を入ってすぐのところに、橋本シェフの趣味のギターが飾られています。ギター好きのお客さまとの会話が弾むきっかけになるそうです。

プランニングのベースとなったのが、こちらのメインダイニングと厨房です。正統派フレンチのお店の雰囲気を壊さないよう、2階にある橋本シェフのご自宅はレストラン内に生活音が聞こえない間取りになっています。

お客さまが食事するカウンターは、サイズやスペース幅にまで配慮。調理、配膳、接客のすべてを一人で切り盛りする橋本シェフのため、厨房内は使いやすく、動きやすいようにレイアウトされています。

廊下の先に、メインダイニングとは別にもう一つの部屋がありました。こちらはデザート用の個室です。

メインダイニングとはガラリと雰囲気が変わる空間づくりは、設計の提案によるもの。温かみある壁の色合い、温もりを感じさせる木目の床が相まって、食後のデザートタイムをゆったりと過ごせる部屋になりました。

レストラン正面から見た外観は、住宅を奥に配置することで生活感を感じさせない工夫が見られます。設計のプランニング力によって、橋本シェフが頭の中で思い描いてきたイメージが形となりました。

予算立ても大切なポイントです。設計やプランニングは無限に作れますが、予算は無限ではありません。お客さまの大切な資金をうまく使い、ご要望を最大限に叶えていくのは設計者の知識と技量の見せどころ。橋本シェフとの打ち合わせを重ねて優先順位を決めつつ、野際さんのアイデアと的確なコストコントロールによって、すべて予算内に収めることができました。

当社がお付き合いしている建築家さん、設計事務所さんは、こうした予算を大きくはずさない設計提案力があり、当社が得意とする断熱性能、施工技術にも十分なご理解をいただいています。だからこそ、いつもタッグを組んで一緒にお仕事をしています。

お店が完成してからも、橋本シェフとのお付き合いはずっと続いています。これまでもカウンターの塗装、収納の面材交換、屋根・外壁・階段の手すりの外部塗装、レストラン入口やトイレのドアの交換などを行ってきました。今後はレストラン内部の壁や天井の塗装を検討中とのこと。定期的なメンテナンスも行います。これからもどうぞよろしくお願いいたします!

レリダンさんに行く機会がありましたら、美味しい料理を楽しみながら、建物や内装にもぜひ注目してみてください!