菅総理大臣が舵を切った「カーボンニュートラル」
菅さんが総理大臣になって、大きな変化が起こりました。昨年の所信表明演説で、国全体で2050年にカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする)を達成すると宣言したからです。これは、世界的な流れで、日本だけ「嫌です」というわけにもいかないようです。
カーボンニュートラルを表明した国は124ヶ国と過半数を占めるまでになっています(経産省ホームページより)。
国内では産業用、家庭用と膨大なエネルギーが使われていますが、ほとんどが化石燃料を燃やして作られ、温室効果ガスを排出しています。実質ゼロにするということは、温室効果ガスの排出量を大幅に減らした上で、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーをたくさん導入しないと達成できません。
そのためには、日本全体が変わる必要があります。30年後のこととのんびりしていられないのです。
住宅分野はさらなる省エネが求められる
たとえば住宅分野では、全ての新築住宅に省エネ基準の適合義務化(=省エネ基準をクリアした住宅しか建てられない)を2020年からスタートすることが一度決まっていました。住宅から排出される温室効果ガスが減らせるからです。しかし、対応できない住宅会社が多数あるとして、取りやめになりました。
その代わり、「省エネ基準をクリアすることが大事ですよ」と住宅会社側が建て主に説明することが今月から義務づけられました。つまり、省エネ基準をクリアするかどうかは、建て主の判断に任せたのです。国の規制はいったん緩い方向に進みました。
ところが今年2月、国が開いた「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」第5回会議で、省エネ基準の義務化を取りやめた国土交通省に対し、河野太郎大臣や有識者から「そんなことではカーボンニュートラルは実現できない」と批判が集中しました。
以下、河野大臣の発言を引用します。
「今頃になって、適合義務化をどうしよう、などと言っている役所に、カーボンニュートラルに向けてのリーダーシップが取れるとはちょっと思えません。国交省には、そういうことができるのかどうか、それもスピード感を持ってできるのかどうかということを速やかに御返事いただきたいと思います。それで駄目なら、できるところにやってもらうということをやらないと、2050年のためには、本当に住宅は長いわけですから、もうあっという間に期限が来てしまうということにもなりかねないと思っております。」(https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/conference/energy/20210224/gijiroku0224.pdf の35ページより引用)
このことを受けて国土交通省も方針を変え、新しい住生活基本計画に新築住宅の省エネ基準義務化を明記しました。
もっとも、札幌では省エネ基準をクリアしていない新築住宅は寒かったり暖房費がとてもかかるため少数派です。お客様の目も肥えていますので、性能の悪い住宅を建てている会社は生き残れません。むしろ、省エネ基準よりも厳しい札幌版次世代住宅基準の高いレベルをクリアする住宅が増えてきています。
当社も、省エネ基準よりも数段厳しい札幌版次世代基準のスタンダードレベルが標準仕様。さらにその上のハイレベル、トップランナーをお勧めしております。暖房費が安くて快適なのはもちろんですが、こうした国のカーボンニュートラル政策にもマッチしています。
アメリカでは大統領が交替して地球温暖化防止に国として取り組む方向性を打ち出しています。当社もこうした世界的な流れを見ながら、今後も一歩進んだご提案をお客様にしていきたいと思っています。