最近、戸建住宅用宅配ボックスの人気が高まっています。
共働き家庭が増えて荷物を受け取りにくいことや、在宅してもコロナ渦で対面での受取をしたくないという方が増えていることが原因です。さらに、宅配便サービスも配達先で受取印をもらわずに置いて帰る「置き配」も増えていますが、置き配は荷物の盗難リスクがあるため、宅配ボックスを導入しようという人が増えているようです。
宅配ボックスの選び方
この宅配ボックス、いろいろな種類があり、発売しているメーカーもさまざまです。市場にはどのような製品が出回り、どれを選べばいいのか、簡単にまとめてみました。
1.固定方法と価格
簡易固定型(接着剤で固定)
据置型(ナスタ「貫通配達ユニット」)
宅配ボックスには、地面や壁にしっかり固定する据置型と、地面に置いて南京錠や接着剤などを使う簡易固定タイプがあります。価格は据置型が5万円程度からで、高機能タイプは数十万円するものもあります。
簡易固定タイプは、割安で1万円以下で買えるものも多くあります。接着剤を使うタイプは強力に固定されるため盗難の心配が少ないのも特徴です。
ただ、宅配ボックスそのものの盗難リスクも考えると、できることなら据置型を選ぶことをお勧めしています。
なお据置型をお選びいただく場合、上記写真のように、建物に直接取り付けることが多くなるため、設計段階でどこに組み込むかなどの打ち合わせが必要になります。恐れ入りますが、なるべくお早めにご希望をお知らせ下さい。
2.素材
ナイロン樹脂製(ナスタ「Nasta Smart Lock N01」)
金属製(LIXIL「スマート宅配ポスト」)
簡易固定タイプはナイロンやASA樹脂製が多く、軽量で使わないときは折りたたみできるものもあります。しかし、強度や耐久性の面で若干心配もあります。一方、据置型は金属製が多く、重い代わりにがっちりしていて壊れにくく、耐久性もあります。
3.宅配ボックスの大きさ・容量
メーカーによっては、大きさが3~4種類選べる製品もあります。大きい方が何かと便利ですが、玄関前スペースに置いた時のバランスなどもありますので、慎重に検討して下さい。
一番大きいサイズの製品は3辺の合計が120~140cm程度の荷物を収納することができます。通販では100cm程度の段ボールが収納できれば通常は問題ありません。
なお、「今日はAmazonと楽天市場から荷物がそれぞれ届く」など、複数の荷物を一度に受け取りたい場合は宅配ボックスを2個設置することも検討しましょう。
宅配ボックス2個を縦に置いている(パナソニック「後付け用宅配ボックス コンボライト」)
4.カギのかけ方
南京錠で施錠する簡易固定タイプ
簡易固定タイプは、本体にワイヤーを通して柱などにワイヤー錠で施錠したり、南京錠で施錠します。据置型は、ダイヤル錠やシリンダー錠が主流でしたが、最近はスマートキーに対応した製品も発売されています。
5.機能性
スマートキーで玄関ドアも宅配ボックスも開けられる(YKK AP「ルシアス シリーズ/宅配ボックス1型」)
IoT技術を組み合わせた多機能製品が増えてきています。簡易固定タイプでも、スマートフォンで施解錠するスマートキーをセットにした製品が発売されたほか、据置型では玄関ドアのスマートキーで宅配ボックスを施解錠できる製品や、スマートフォンと連動して、荷物が投函された様子をネットワークカメラで確認したり、職場にいながらスマホを使って配達員と応答できる機能を持った製品も発売されています。
このように、ひとくちに宅配ボックスと言っても、種類がいろいろあります。必要とする機能や大きさ、予算などで最適な製品をお選び下さい。