年の瀬が迫り、2022年も残すところあと少しとなりました。皆さんにとって、この1年はどのような年でしたか。
いろいろな出来事がありましたが、中でも、冬の寒さが厳しい北海道に暮らす道民にとっては、家計に直結する燃料価格高騰は関心が高いのではないかと思います。
言うまでもなく、北国の冬には暖房が欠かせません。また、使用時にはたくさんのエネルギーを消費します。
しかし、今はウクライナ情勢や世界的なインフレなどを背景に、電気・ガス・灯油のいずれも価格が高い傾向が続いています。食料品や日用品の値上げもあるので、家計への負担を考えると暖房費は少しでも抑えておきたいところです。
住宅のタイプ別で暖房コストを比較すると…
では、暖房費を抑えるにはどのような方法があるでしょうか。
有効な方法の一つとして考えられるのが家の高断熱化です。家の断熱性能が優れていると、暖房で暖められた空気が外に逃げていきません。そのため、家全体が暖かく一定の室温が維持され、おのずと暖房の使用量が減って暖房費の節約につながります。
「高断熱住宅=省エネ」というイメージは何となく皆さんの頭の中にあると思います。では、具体的にどれぐらいの効果があるのかご存じでしょうか。
そこで今回は、木造総2階建て(約32坪)の想定で、一般ローコスト住宅、一般ベーシックレベル住宅、当社標準仕様住宅の3種類において、建設コストと暖房コストを比較したものをご紹介します。
こちらの表をご覧ください。
当社が標準仕様とする高断熱住宅は外張断熱やトリプルガラスなどの施工によって、ローコスト住宅やベーシック住宅より約200~300万円プラスの初期費用がかかります。ですが、暖房コストを含めて考えると、例えばローコスト住宅との差額分(約300万円)は20年ほど住めば十分に回収できてしまいます。つまり、高断熱住宅は住む期間が長くなればなるほど、暖房コストを含めたトータルコストの点において有利になることが分かります。もちろん住んでいる間、ずっと暖かく快適な暮らしを送ることができます。
また、エネルギー資源の多くを海外からの輸入に頼っている日本では、これから先、今以上に燃料価格が高騰する可能性も考えられます。高断熱住宅は、そうした外的要因による影響を少なくする上でも有利になります。
なお、今回の試算では、暖房の熱源は灯油で120円/ℓを想定し、住宅の建設にかかる特殊基礎工事や設計管理費、消費税(10%)などは省いております。また、金額は経済情勢などで変わりますので、今年11月時点での一つの目安の数値としてご参考にしてください。 もっと具体的な話を聞きたいなどのご要望がありましたら、ぜひ当社にご相談いただければと思います。
当社の2022年を振り返って
この1年を振り返ると、今年は多くの展示会や見学会、勉強会などがリアルで開催されました。当社でも東京で開催された「ジャパン建材フェア」をはじめ、北海道SHS会の現場見学会や講習会、全国削ろう会の北海道いわみざわ大会などに参加し、実際に目で見ながら、また関係者の方々とお話させていただきながら、多くのことを学ぶことができました。
「ウィズコロナ」が定着してきている中、来年以降も、こうした見学会や講習会などに積極的に参加し、良いものはどんどん取り入れ、お客さまに喜ばれる家づくりに活かしていきたいと思っています。
住宅業界全体を振り返ると、近年はグローバル化の影響を受けることが多いと感じます。日本企業の海外進出が進む一方で、海外の木材需要の高まりなどによるウッドショックをきっかけに地産地消である国産材が脚光を浴び始めています。
また、建築資材や土地価格の高騰などの厳しい状況も続いています。
お客様の費用負担が増えてくる中、ランニングコストやエネルギーコストを含めて、これまで以上にお客様にとって価値のある家づくりを追求していく必要があると考えています。今までの取り組みを改めて見つめ直し、勉強し直す分岐点に差し掛かっていると日々感じているところです。
高断熱・高気密の住宅性能を最大限に活かすのはもちろん、お客様が思い描く暮らし方やライフスタイルを実現できるよう、これまで以上に、お客様が当社の家に価値を見出していただける提案をしていきたいと考えています。
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今年も新築住宅の建設による新規のお客さまをはじめ、OB施主様からはリフォームのご依頼、また地元の篠路神社の社殿階段マットの交換を承らせていただくなど、お客さまや地域の皆さまとのつながりを改めて感じさせていただいた1年でした。
住宅業界を取り巻く環境は、年々厳しさを増していますが、来年もお客さまに幸せを感じていただける住宅づくりに取り組んでまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。 良いお年をお迎えください。