設計/エスエーデザインオフィス一級建築士事務所
Sさま邸の特徴
50代のご夫婦がお住まいのSさま邸。将来にわたって長く快適に暮らせる「終の棲家」がコンセプトです。段差のないバリアフリー仕様と家事動線に配慮した間取り、さらに、ご夫婦それぞれが趣味に没頭できる書斎・工房、庭を眺めながら食事が楽しめるLDK――と、日々の生活を楽しむ空間も備えた一棟になりました。
Sさま邸は、奥さまのご実家を建て替えた平屋建てです。大通りの交差点がある角地という立地上、正面の開口部をなくし、プライバシーが守れる外観になりました。国が制定した「長期優良住宅」と、北海道が推進する「北方型住宅2020」の基準を取得した高性能住宅です。
除雪作業の負担が減るよう、カーポートは家との一体型に。正面奥の扉が玄関です。
カーポート横はウッドデッキ付きの大きな中庭です。高い塀に囲まれ、外の喧騒を気にせず、静かに落ち着いて過ごせる空間になりました。
リビングダイニングは南と東に開けた角地から光を採り込み、バツグンの明るさ。ご夫婦は、中庭を眺めながらご友人や知人らと食卓を囲む予定だそう。
キッチンは調理台とシンクの手元が腰壁で隠れたセミオープンタイプ。
調理に集中しながらリビングダイニングにいる家族とのコミュニケーションも取れる設計です。
こちらは寝室です。将来の暮らしを考え、室内はバリアフリーで扉は上吊り仕様の引き戸になっています。寝室の奥は大容量のウォークスルークローゼットを備えています(写真右)。
クローゼットを抜けると、洗面室、脱衣室、浴室が直線上に続いています。身支度がしやすく、洗濯仕事にも便利な動線です。
ご夫婦それぞれが“自分時間”を過ごせる居場所づくりもポイントです。リビングダイニングの続き間には和室をプラン。奥は壁面にカウンターと収納棚を造作した書斎です。
サイクリングがご趣味のSさま。二間続きの工房は、一つが愛車10台の駐輪スペース、もう一つがメンテナンスコーナーになっています。
今回のように交通量が多い場所での建築工事では工事車両の駐車や建材の搬入などに制約が出てしまいます。そうした中、近所にお住まいのOB施主様がご好意で駐車スペースを貸してくださり、スムーズに工事を進められました。建てた後も続くOB施主様とのつながりを改めて感じられる現場になりました。