設計/西川幸宏建築都市設計事務所
2023モデルハウスの特徴
当社では2023年8月から10月にかけて、札幌市北区でモデルハウスを公開しました。寒冷地ならではの創エネ・自家発電設備をはじめ、高断熱・高気密による快適で光熱費がかからない住環境づくり、共働き世帯などのライフスタイルに配慮したプラン・設備などが特徴です。2023年度から新たな基準となった「札幌版次世代住宅基準」において、最上位「プラチナ」第1号に認定されました。
札幌市のホームページにも「認定第1号(等級:プラチナ)」として詳しく紹介いただいています。
https://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/10shien/zisedai/zisedaijirei1.html
※現在は公開を終了しています。
2階正面のブラックの壁面に見える部分は、太陽光発電パネル(シャープ製・出力3.8kW)。雪が積もる心配がないので積雪期にも発電すること、また屋根の雪を落とす場所の少ない札幌市内などの都市部でも設置しやすいことがポイントです。
玄関を入りまっすぐ進むと洗面脱衣室があり、帰宅してすぐに手洗いが可能。
脱衣スペースはカーテンで仕切ることで、家族の成長と共にプライバシーに配慮して使える仕様にしました。
洗面脱衣室からLDKに行く通路を広げ、洗濯物を干してたためる家事室としてプラン。カウンターではアイロンがけもできます。また、LDKからは玄関にも抜けられる回遊動線になっています。
リビングには、冷房の使用量を減らす省エネの工夫として、南に面した窓から十分な光を採り入れながらも、夏場の直射日光を避けられる設計にしました。
住宅性能は国の断熱基準より厳しい「札幌版次世代住宅基準」の最高ランク「プラチナ」レベル。断熱性能(Ua値)が0.18、気密性(C値)が0.22です。
最近のキッチンはオープンタイプが主流ですが、シンクやワークトップを隠したいというお客さまを想定しあえて独立タイプに。上部に吊戸棚、背面にも収納棚を備えました。
レンジフードは、トクラスのサイクロンフードを採用。吸い込み口となる、写真では左右に設置されたステンレスのフィルターが油汚れを吸着してくれるので、お掃除がラクになります。
調理台の前に立つとリビング、その横のキッズスペースまで見渡せ、料理をしながらお子さまの様子が見守れます。
キッズスペースは、普段はリビングと一体で使いながら、ロールスクリーンを降ろせばすぐに独立した空間に。
自家発電した電気をできるだけ自宅で使うための設備も搭載しています。
クローゼットの隅には蓄電池(ニチコン製・容量7.4kWh)を設置。太陽光発電の電気を貯めることができます(写真左)。一方、エコキュート(給湯機)は、太陽光で発電した電力を湯の沸き上げに使える機能を搭載したタイプ。自家発電でお湯が作れます(写真右)。
また、暖房には地下水熱を利用したヒートポンプを採用し、経済的な融雪システムも導入しています。
室内の壁と天井全面は、ミネラル成分の入った粘土と白色珪藻土を使用した天然素材の塗り壁を使用。部屋の湿度を一定に保つ調湿機能のほか、有害物質を吸着して無害化する効果があります。カラーバリエーションもあり、子ども部屋にはアクセントカラーを採り入れました。
当社が企画するモデルハウスのコンセプトは、実際に人が住むことを想定した“手の届くモデルハウス”です。一方、住宅性能や新しい省エネ・創エネ設備にはこだわり、快適に暮らせて光熱費の負担が少ないといった、日々の生活を送るお客さまのことを第一に考えたご提案をさせていただきました。