緑豊かな環境を活かしたストレスフリーな平屋 札幌市Y様邸

札幌市のY様邸は、緑豊かな自然環境が広がる閑静な住宅地に建てられたコンパクトな平屋の住まいです。断熱・気密性は札幌版次世代住宅基準スタンダード相当。ストレスなく生活できる開放感にあふれた間取りと、木を活かしたシンプルでナチュラルな住空間が特徴です。

設計/N建築設計室 野際礼子さん

屋根の形状、玄関ポーチや壁面の板貼りなど表情豊かな平屋の外観

片流れ屋根と陸屋根を組み合わせた平屋の外観。外壁は金属サイディングで、玄関ポーチ周りと窓の高さにそろえて貼った杉板がアクセントを添えています。

建物の南面にウッドデッキを配置。屋根の軒を深めに出して、夏の直射日光に配慮した造りです。

2way動線が便利な玄関ホール。「魅せる空間」としての玄関収納

玄関横の土間続きの空間、玄関収納。ゆったりとした広さがあり、インテリアを楽しんでいます。

玄関ホール。右手は玄関収納内に設けた造作棚。天井までの高さがあります。

玄関ホールから見たリビング・ダイニング。扉等で遮っていないので、開放的で室内の奥まで見通せます。

天井は最高で約3.8mの高さ。木を現しにして開放感と快適さを実現

16畳のLDK。屋根勾配を生かした天井の高さは最高部で約3.8mもあり、面積以上の開放感があります。

天井を現しにすることで、木の質感をプラス。パインの無垢フローリングともマッチしています。ワイドなテラス窓には、トリプルガラス入りの高性能サッシを採用しています。写真の通り、ガラス面積が大きいのでサッシ自体はとても重いのですが、片手で簡単に開けられる新機構を採用しています。

キッチン側から見たリビング・ダイニング。奥は寝室で、間仕切り壁の上部を開けています。
「無駄なエネルギーを使わずに心地良い暮らしをしたいというご夫妻の意向がありましたので、冬の暖気を回しやすくしています。これ以外にも、夏の熱気を抜く高窓を設置しています」と野際さん。

また、「周辺環境を活かすため、窓は各方向の緑を楽しめる配置に。コンパクトな家ですが、狭さを感じないよう、見通しがきいて引き戸で開けたまま暮らせる設計にしました」。

寝室横のウォークインクロゼットは、収納力たっぷりの大型サイズです。

コーナー窓と造作カウンターのキッチン。タイル貼りはYさんご自身で

キッチンの壁は、タイル張り。落ち着いた雰囲気がすてきです。

コーナー窓も採用しています。庭や周囲の緑景を眺めながら家事ができます。壁面のタイル貼りは、YさんがDIYしました。「コスト削減につながっただけでなく、自分たちも家づくりに参加したことで愛着も増しましたね」とYさん。

キッチンと並列に配した造作カウンター。高さは奥さまの身長に合わせて90cmと高めに設定。内側は引き出しや棚を組み合わせた収納になっています。

リビング続きの小上がりは、和と寛ぎの多機能空間

3畳のタタミコーナーは、モスグリーンのクロスが映える和の空間で、段差約20cmの小上がりとなっています。襖(ふすま)はふだんは開け放して使っています。

タタミコーナーの左手の壁側に棚とカウンターを造作。床は掘りごたつにして、腰掛けられるPCコーナーを造りました。右手の壁側には電子ピアノと本棚を設置しています。

洗面コーナーもトイレも廊下に面して連続配置した一体感のある空間づくり

廊下の表情。中央に洗面台、脱衣室と続き、奥が浴室です。シュロのホウキとチリトリが、壁面に素敵に映えています。

ワイドなカウンターの付いた造作洗面台。縦長窓から自然光が注ぐ気持ちのいい空間づくり。

トイレは奥行を持たせた設計。廊下側から便器が見えないため、引き戸を開放してオープンに。窓からも緑の風景を楽しめます。

拓友建設を選んだ理由

Y様は、中古の平屋の家を見学したことが家づくりのきっかけでした。1ヵ月ほどかけて土地を歩いて探し、今の土地を見つけました。

拓友建設は、ネットの住宅会社選びサイトを見て知ったそうです。記事を見て住宅性能にこだわりがあり、設計事務所の設計で家を建てたいという夢を叶えてくれる会社だったところが評価されました。

ところが、土地の価格が予算よりも高く、建物の予算を抑えるために一度は当社で建築するのをあきらめました。別のハウスメーカーや工務店などを回って予算に合う家を信頼して任せられるところはないか探しましたが、見つからず困っていたそうです。

実は私もY様のことが気になっていて、「その後どうなりましたか?」と連絡をしたことがあります。その時Y様は、信頼できる会社がなくて困っていることと、予算の限度額を正直に伝えていただきました。「なんとかしましょう」とお受けして、予算を抑えるための工夫をお話しし、家づくりが動き出しました。

Y様のご希望は、「コンパクトな平屋で、自然を感じるよう木をたくさん使ってほしい」というものでした。室内は塗り壁を希望されていましたが、予算オーバーになってしまいます。そこで、やわらかな色の「マッシュルーム」というクロスを選んで快適な空間にしました。Y様にも気に入っていただいています。

住み心地は?

Y様に住み心地をうかがうと、「暮らしやすくてノンストレスの家です」と答えてくださいました。床下暖房のため暖房器具を置かなくていいので部屋がすっきりしているところもお気に入りだそうです。ちなみに、給湯・暖房はエコジョーズを採用しています。

Y様は、「早く帰ってきたくなり、帰宅したらほっとする家。縁側でお茶をしたり、お月見をしたりという時間も生まれました。家に愛着があるのでお掃除も楽しいです」と話しています。

家づくりを振り返ったY様は、「プロフェッショナルの方達がチームを組んで進める家づくりなので、安心でした。野際さんには知りたい以上のことを、納得できるように教えていただきました。妻沼社長は誠実なお人柄で、家のことで気になることがあり連絡すると、すぐに手配してくださる。建ててからも頼りになる存在です」と話していただきました。こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。