※H邸はiezoom(いえズーム)に掲載されました。許可を得て転載いたします。
家づくりは一生を左右するかもしれない大きなお買い物。新築住宅を建てる際、「住宅会社選び」に悩む方も少なくありません。江別市のHさんは、独自の方法で「信頼できる住宅会社」に辿り着きました。Hさん夫婦の体験を紹介します。
―住宅会社選びは何から始めましたか?
ご主人 知っているハウスメーカー、工務店も特になかったので、最初は、近所で開催されていた建売住宅のオープンハウスを訪れました。感じたのは「狭さ」。営業の方に聞いてみたところ「土地価格も高騰している今、建売住宅は狭い家が多い」との事情を聞きました。それ以降は注文住宅を前提に、土地探し、保育園探し、工務店探しの3つを同時に進めました。
奥さま 以前住んでいたアパートは、日差しが暖かい点は素敵でしたが、夏は暑く、冬は窓まわりからの隙間風をテープでふさいでしのいでいた家でした。断熱・気密性能は大事、そして日差しも取り入れることができる家が良いというのが最初から重視したコンセプトです。
いえズームやyoutubeで換気や断熱などの知識を吸収、住宅性能に関して重要なポイントは何かを勉強し、住宅会社のサイトなども見て、住宅性能がしっかりしていそうな会社に資料請求し、資料を元に各社の性能などをエクセルで表にして比較しました。
でも各住宅会社のホームページなどに書かれている情報ではわからないこともたくさんありました。住み始めてから後悔したくなかったので、例えば、住宅の日射遮蔽取得の設計は可能か、年間施工数に対してアフターメンテナンスを担う現場監督は何人か、シックハウス対策や耐震、防蟻対策などはどのようにしているか、地盤改良の方法など、さまざまな質問を込めたメールを各社に送信しました。後日振り返ると資料請求や、オープンハウスを訪問した住宅会社は全部で38社もありました。
―38社は凄いですね。
奥さま 住宅会社の回答はさまざまでした。「当社は断熱性能などは最低限なのでおすすめしません」という回答もありました。そんな中で、2社だけ、私の質問に丁寧に、詳しく、誠意をもって答えてくれた会社がありました。そのうちの一社が拓友建設さんです。
妻沼社長から丁寧な回答をいただいたあと直接お話を伺いたいと相談。事務所を訪問し、断熱や耐震、パッシブ換気のことなど、気になる点をいっぱい質問させていただいて、拓友建設の妻沼社長が、住宅性能や品質、アフターメンテナンスに至るまで、しっかりとした取組をされていることがよくわかりました。帰宅するときに、「拓友建設さんは安心してお任せできる住宅会社だね」と夫婦で話し合いました。
―パッシブ換気にも関心があったのですね?
奥さま 換気の重要性はyoutubeなどで知りました。ファンを使わず自然の力で換気するパッシブ換気という換気方式があると知り、パッシブシステム研究会のホームページを見て名簿に拓友建設が載っているのも見ました。
ご主人 パッシブ換気ができる住宅会社はそもそも札幌圏でも少ないということもあって、拓友建設さんに興味を持ったというのもあります。
―デザイン性の高さも拓友建設の魅力ですが・・
ご主人 断熱気密性能が優れている家でもデザインの面で惹かれない住宅もありました。拓友建設さんの家は性能が高いだけでなく、意匠の面でも魅力的な家が多いというのはhttps://www.takuyou.jp/works/ 拓友建設のホームページ、施工事例のページで知りました。多くの住宅会社は、その会社の傾向みたいなものがありますが、拓友建設の家づくりは、建て主の要望を元に建築家がオーダーで設計しているので、1棟1棟が全く違うデザインです。これを見て、デザインの面でも、私たちの好みを実現してもらえそうだと感じました。拓友建設さんに家づくりをお願いしたのは、こうした点も素晴らしかったからです。
なおH邸は札幌市が地球温暖化対策のため策定した「札幌版次世代住宅基準」ハイレベル相当の断熱・気密性能。断熱性能はUA値0.22w/m2K、気密性能はC値0.17cm2/m2をクリアしています。
設計、デザイン上のポイント
拓友建設は、設計は建築家、施工は拓友建設という連携で家づくりを行っています。
設計を担当したのはホリゾンアーキテクツ代表取締役で建築家の一原寿寛さんです。
一原さんは意匠・デザインや動線設計のプランニング力に加え、住宅の断熱気密、耐震、耐久性能など施工品質、性能に関しても知識が豊富で、顧客の要望にも丁寧に応える建築家であることから、妻沼社長がHさんに推薦しました。
―玄関前の庇が印象的ですね
一原さん 前面道路が南西にある「南入り」の敷地なので一番日当たりが良い部分に玄関とリビングが並びます。
この大型の庇【R庇】は夏場の直射日光を極力遮り、冬場の積雪から玄関ポーチとリビングの大窓を守る役割を持ちます。庇の出幅は1200mm以上とかなり深いのですが、軒天部分を下見板を使った曲面にすることで、空に向かって解放感があり、かつ構造的な安定性を確保できるデザインとしています。(意匠特許申請中)
一原さん 2階の窓には室内からの眺望を妨げない放射状の短い庇(パラボラ庇)を設置。2種類の庇が外観のアクセントにもなっています。パラボラ庇の設置個所はHさまが3Dモデリングによる日影検討資料を作成されていたので、その検証結果も踏まえながら、設計しました。隣家による日陰が時間によってどこまで影響するか、お施主様ご自身が解析されたというのは私も初めての経験で大変勉強になりました。
―玄関ホールが明るく広いですね。
一原さん 玄関ホールは土間部分も含め6.5畳です。暗くなりがちな玄関をリビング側からの柔らかい光が差し込むように壁に採光用の開口を設けました。
玄関から横に行くとLDKがありますが、まっすぐ進むと洗面室とユーティリティに直行できます。帰宅後すぐに手洗いができ、さらに進めば着替えなどを済ませてからリビングに入ることもできる回遊動線です。お子様が年頃になった時のために洗面室と脱衣室を分けて使える形にしました。
H邸で1番日当たりの良い南西側にあるリビングです。R庇がある大開口スライディング窓の室内は、陽だまりの空間になっています。
板貼りの下がり天井の上には間接照明を設置しています。
キッチンはご夫婦双方が作業しやすいよう、通路幅を広くとり、手の届きやすい高さに吊戸棚の位置を少し下げています。
キッチンの隣にあるパントリー。新築のお祝いに、ご主人のお父さんがDIYで棚を付けてくれました。
階段室の吹き抜け部分には採光・換気・眺望の3つの役割を果たす高窓があります。階段の手すりは開放感を損なわないデザインを採用しました。また、洗濯物を干す場所としての補助的な利用も考えています。
一原さん 建築基準法による耐震性能を上回る、耐震等級2で設計施工しています。さらにHさまのご希望により地域係数z=1.0(通常より1割増)をクリアしています。地震地域係数とは、その地域で発生した過去の地震などを元に国土交通大臣が定める数値のことですが、地震地域係数に関するご要望がオーナー様からあったのは初めての経験で驚きましたが、大切な家族をまもるための高い性能を備えることは当然だと思いました。
開放性を重視しすぎるあまり、窓が多くなり、耐震壁が少なるような設計は、耐震性能を犠牲にしています。拓友建設さんも私もそのような住宅は良くないと考えているので、開放性と耐震性のバランスがとれたこの住宅は理想的なフォルムになったと思います。
家づくりをしっかり勉強し、丁寧に実現したマイホームについて、最後に一言お願いします。
奥さま 家中同じ暖かさです。窓のそばに居ても冷たさを感じません。室内が快適すぎて外の寒さがわからなくなります。特に冬はすぐ家に帰りたくなってしまいます。
ご主人 ゆとりのある玄関ホールが気に入っています。アパートの玄関が窮屈だったのでプランを見た時は感動しました。大人も子供ものびのび暮らせる居心地の良い家にとても満足しています。
奥さま 工事中は毎日、現場に足を運びましたが、いつ見てもキレイ。お隣の方にも「良い住宅会社だね」と褒められました。妻沼社長や一原さん、そして大工さんとの楽しい家づくりが終わってしまったのは少し寂しいですが、皆さんが建ててくださった素敵な家で思い出を作るのが楽しみです。